商店街においてキャッシュレス決済を普及させたい
苅田町 交通商工課
課題の背景
・本町は、陸海空の交通結節点としての立地条件の良さから、自動車産業を中心とした臨海工業都市として発展を続けている。しかしながら、商業の面では、福岡県の都市計画マスタープラン(北九州都市圏)において、本町は「拠点」という位置付けになっており、原則として床面積10,000㎡を超える商業施設等の大規模集客施設が立地できないため、町内での日常の買い物が便利であると実感してもらうためには、商店街をはじめとした店舗の魅力や利便性向上が必要であると考える。
・令和2年の国勢調査によれば、本町の高齢化率は24.6%であり、全国平均の28.6%を下回っている。また、令和6年4月に発表された「人口戦略会議」のレポートでは、本町は北九州都市圏では唯一の「自立持続可能性自治体」とされた。
・本町では、コロナの影響で冷え込んだ町内での消費喚起と非接触のキャッシュレス決済普及による感染対策を目的に、令和3年1月に商業応援キャッシュレス推進事業(還元率20%)を実施した。実施前には、スマホ決済の使い方講座を開き、この事業を契機にキャッシュレス決済を利用するようになったとの声も聞かれた。
・本町では、苅田商工会議所を発行事業者として、平成21年度よりプレミアム商品券を発行している。令和2年度からはプレミアム率を10%→30%、発行規模を7千万円→2億円に増加。令和5年度からは従来の紙商品券に加え、キャッシュレス商品券である「かんだPay」を導入(発行割合は紙:キャッシュレス=6:4)している。令和6年度も地域内消費を喚起し地域経済の活性化を図るとともに、かんだPayの普及によるDX推進を目的にプレミアム商品券事業を行うこととしている。
・本町では、プレミアム商品券の購入層の半数以上を60代以上が占めており、かんだPayを利用する人も増えてはいるものの、依然として紙商品券を買い求める人が多い。背景には紙商品券しか対応していない店舗が約3/4を占めていることも影響しているものと考えられる。
苅田町 交通商工課
課題解決によって達成したいこと
商店街を中心に、町内でかんだPayをはじめとしたキャッシュレス決済に対応する店舗を増やすことで、町民の買い物満足度(町内での日常の買い物が便利であると思う割合)向上を図りたい。
課題解決に当たってのハードル
現状キャッシュレス決済を導入していない店舗における判断理由としては、「現金のみで特にこまっていないから」、「レジ業務が煩雑になるから」、「利用者が使い方をわかっていないから」、「自分が使いこなせる自信がないのにスタッフに教育できるのか不安だから」などの声が聞かれる。
課題解決に向けて提供できる自治体リソース
・苅田町プレミアム商品券事業(令和6年度の利用可能期間は9月~令和7年1月末の予定)
・現状、キャッシュレス推進に係る補助メニュー等はないため、協業の内容によって、新規補助事業を立ち上げるかゼロベースからの検討となる。
想定される連携先(企業)のイメージ
・商店街におけるキャッシュレス決済普及、利用者のキャッシュレス決済利用推進に寄与するアイデアやプラットフォームなどを提供できる企業
・財政負担が必要な場合は、国や県の補助金(例えば、福岡県商店街の課題解決チャレンジ応援事業など)の利用についての提案が可能な企業
その他協業に向けての留意事項など
協業の内容が未定であるため、現時点での予算化は行っておらず、事業実施にあたっては、本町及びプレミアム商品券の実施主体である苅田商工会議所との協議に加え、財政負担が必要な場合は財政当局との折衝が必要。